電験三種ドリル

電験三種の送電損失

電圧を上げると小さくなる条件

更新日: 出典・確認日 ↓

先に答え

同じ電力・力率・線路抵抗なら昇圧で損失減

同じ有効電力・力率・線路抵抗で比べると、送電電圧を上げれば線電流が小さくなり、線路の抵抗損失が減ります。

この記事で確認すること

01 まず一線の損失から書く

まず一線の損失から書く

一線当たりの抵抗をR、線電流の実効値をIとすると、その一線の抵抗損失はI²Rです。平衡三相三線式で各線が同じ抵抗なら、三相合計の損失Pₗ=3I²Rです。

Rが一線分か、往復分か、三相分をまとめた表現かを問題文で確認します。単相二線式の2I²Rを三相へ持ち込んだり、既に合計された損失へ再び3を掛けたりしないでください。

02 同じ電力を送る条件から電流を求める

同じ電力を送る条件から電流を求める

受電端の平衡三相の有効電力をP、線間電圧をV、力率をcosφとすると、I=P/(⁠√⁠3⁠V⁠c⁠o⁠s⁠φ⁠)です。これを三相損失へ代入するとPₗ=P²R/(⁠V⁠²⁠c⁠o⁠s⁠²⁠φ⁠)となります。

P、力率、Rが同じなら、損失は電圧の二乗に反比例します。力率だけを変える比較では、P、V、Rを一定として損失がcos²φに反比例します。比較の前に固定する量を並べて書くのが確実です。

03 電線の長さと断面積の影響

電線の長さと断面積の影響

一様な導体の抵抗はR=ρℓ/Aです。抵抗率ρと断面積Aが同じなら長さℓに比例し、長さと抵抗率が同じなら断面積に反比例します。同じ電流の比較なら損失もRに比例します。

導体温度などで抵抗率は変わるため、条件をまたいだ比較では同じRとみなせるかも読みます。ここで扱うのは導体の抵抗損失であり、全ての設備損失をI²Rだけで説明するものではありません。

04 損失率と送電効率の分母を読む

損失率と送電効率の分母を読む

損失率や効率の計算は、送電端電力と受電端電力のどちらを分母にするかで変わります。抵抗損失だけを考えるなら送電端電力=受電端電力+損失です。この収支を先に置き、指定された比を作ります。

電圧の変化そのものを問われた場合は電圧降下へ、コンデンサ追加時の比較は力率改善へ進んでください。

根拠:名古屋工業大学「⁠電⁠気⁠回⁠路⁠I⁠」第2週の抵抗と消費電力、Tektronix「⁠三⁠相⁠測⁠定⁠の⁠基⁠礎⁠」の三相電力。損失の比例関係はこれらの式から導出しています。

よくある質問

電圧を上げると損失は電圧の二乗に反比例しますか?

送る有効電力、力率、線路抵抗を一定とした抵抗損失の比較です。固定する条件が違えば同じ結論にはなりません。

送電損失はI²Rですか、3I²Rですか?

一線分ならI²R、平衡三相三線式の同じ一線抵抗Rによる三相合計なら3I²Rです。

出典と確認日

数値・条文は次の一次資料で確認しています。確認日: 2026-11-08

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