電験三種の力率改善
コンデンサ容量を無効電力の差で求める
先に答え
必要な無効電力容量は改善前後の差
有効電力を変えず遅れ力率を改善する基本計算では、必要な進相コンデンサの無効電力容量は改善前後の無効電力の差です。静電容量Fとは区別します。
この記事で確認すること
01 電力三角形で前後の条件を置く
電力三角形で前後の条件を置く
正弦波の条件で、有効電力P、無効電力Q、皮相電力SはS²=P²+Q²の関係です。力率cosφ=P/S、遅れ無効電力を正とするとQ=P tanφです。
負荷の有効電力Pを変えず、遅れ力率cosφ₁から、より高い遅れ力率cosφ₂へ改善する場合を考えます。必要な進相コンデンサの無効電力の大きさはQ_C=P(tanφ₁−tanφ₂)です。
02 cosφからtanφへ直す
cosφからtanφへ直す
力率が小数で与えられた場合、遅れ角が0°から90°の範囲ならtanφ=√(1−cos²φ)/cosφで求められます。電卓で角度を求めてから計算する方法では、度とラジアンの設定を確認します。
目標力率が1ならφ₂=0でQ₂=0です。目標が1未満なら、改善後にも無効電力が残るため、改善前のQを全て打ち消す容量ではありません。進み側の目標を含む場合は、Qの符号から立て直します。
03 kvarの容量と静電容量Fを区別する
kvarの容量と静電容量Fを区別する
電力用コンデンサの「容量」はkvarで示されることがあり、静電容量Fとは別です。単相で理想コンデンサの両端電圧実効値V、角周波数ωなら、無効電力の大きさQ_C=ωCV²です。
平衡三相で一相の容量をCとするなら、Y結線はQ_C=ωCVₗ²、Δ結線はQ_C=3ωCVₗ²です。線間電圧Vₗと一相の電圧の違いから導きます。求めるCが一相当たりかどうかを必ず確認してください。
04 電流と損失は設置場所より上流を考える
電流と損失は設置場所より上流を考える
PとVが同じなら線電流は力率に反比例し、同じ抵抗の線路損失は電流の二乗に比例します。コンデンサを付けても、元の負荷そのものの電流が同じ割合で減るとは限りません。コンデンサと負荷を合成した上流側の電流を考えます。
過補償で進みになる場合もあるため、コンデンサを増やせば常に有利とは断定しません。送電損失と三相結線で条件を確かめます。
よくある質問
コンデンサ容量は力率の差にPを掛けますか?
必要な無効電力はP(tanφ₁−tanφ₂)です。cosφの差を直接掛けるものではありません。
コンデンサを付けると負荷の消費電力が減りますか?
この基本計算では負荷の有効電力は一定とします。上流側の電流や抵抗損失の低減と、負荷自体の有効電力を区別します。
出典と確認日
数値・条文は次の一次資料で確認しています。確認日: 2026-11-08
このサイトは一般財団法人電気技術者試験センターとは関係のない学習用サービスです。法令の解釈や実務での運用は、所管の官公庁や専門家に確認してください。編集方針