電験三種の二電力計法
負の指示値と力率計算の条件
先に答え
合計電力は二つの指示値の符号付き和
正しく結線した三相三線式の二電力計法では、合計有効電力を二つの指示値の符号付き和で求めます。
この記事で確認すること
01 三相三線式の電力を二つの測定で表す
三相三線式の電力を二つの測定で表す
正しい二電力計法の結線では、三相三線式の有効電力はP=W₁+W₂です。共通にする電圧線と、それぞれの電流コイルを接続する線を確認します。二台の電力計があるだけで、どんな接続でも成立するわけではありません。
この有効電力の和の関係は、適切な結線の三線式回路なら不平衡負荷にも使えます。一方、以下の力率角との簡単な対応は、正弦波の平衡三相を前提にしています。
02 平衡時の指示値と位相差
平衡時の指示値と位相差
線間電圧Vₗ、線電流Iₗ、遅れの力率角φについて、一つの結線・番号の取り方でW₁=VₗIₗcos(30°−φ)、W₂=VₗIₗcos(30°+φ)となります。番号を逆に取ると差の符号も逆になるため、図と対応させます。
この定義ではtanφ=√3(W₁−W₂)/(W₁+W₂)。力率を求めるときはtanφをそのまま答えず、cosφへ変換します。進み・遅れの判定も、番号だけで決めず結線と負荷条件を読みます。
03 逆振れを正の読みへ変えた場合
逆振れを正の読みへ変えた場合
平衡した遅れ負荷でφが60°を超えると、一方のcosが負になります。アナログ計器で接続を反転して正の目盛を読んだなら、元の測定方向では負だったことを計算に戻します。反転後の読みと、元から正だった読みの絶対値を足しません。
φ=60°、すなわち力率0.5のとき一方の指示はゼロです。電力計の故障と即断せず、位相関係から生じるゼロかを考えます。これは机上の試験計算の説明であり、活線での接続変更を勧めるものではありません。
04 不平衡では指示値の差を無条件に使わない
不平衡では指示値の差を無条件に使わない
不平衡の場合もPの和が使えることと、Q=√3(W₁−W₂)や上の力率角の式が使えることは別です。差からの無効電力計算には平衡と結線の条件があります。
- 元の指示の符号と、接続を反転した後の読みを区別する。
- 平衡三相か三相三線式か、両方の条件を確認する。
- CTやVTを使う場合は、一次側へ戻す倍率を確認する。
よくある質問
一方が負なら両方の絶対値を足しますか?
符号付きで加えます。逆振れを接続反転して読んだ場合も、元の方向に対する負号を戻します。
不平衡でも力率の式を使えますか?
有効電力の和と、差から力率角を求める式は条件が異なります。後者の平衡前提を外して使用しないでください。
出典と確認日
数値・条文は次の一次資料で確認しています。確認日: 2026-11-08
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