電験三種ドリル

電験三種のインピーダンスとアドミタンス

複素数のまま合成する理由

更新日: 出典・確認日 ↓

先に答え

交流回路は位相を含む複素数のまま合成する

直列並列
足す量インピーダンスZアドミタンスY=1/Z

同じ周波数の正弦波定常状態では、位相を含む複素数のまま合成し、最後に必要な大きさを求めます。

この記事で確認すること

01 R・L・Cの符号と単位

R・L・Cの符号と単位

正弦波の定常状態で、角周波数をω=2πf、虚数単位をjとします。抵抗はZ_R=R、理想コイルはZₗ=jωL、理想コンデンサはZ_C=1/(⁠j⁠ω⁠C⁠)=−j/(⁠ω⁠C⁠)です。Zの単位はいずれもΩです。

コイルの電流は電圧より遅れ、コンデンサの電流は電圧より進みます。「何が何に対して進むか」を省略すると、符号の暗記が逆転します。電圧フェーザを電流フェーザで割ったものがZであることへ戻ります。

02 直列と並列で足す量を選ぶ

直列と並列で足す量を選ぶ

接続計算する量根拠
直列Z=Z₁+Z₂+…電流が共通で電圧を加える
並列Y=Y₁+Y₂+…電圧が共通で電流を加える

Yの単位はS(⁠ジ⁠ー⁠メ⁠ン⁠ス⁠)です。Z=R+jXなら、Y=(⁠R⁠−⁠j⁠X⁠)/(⁠R⁠²⁠+⁠X⁠²⁠)。実部と虚部のそれぞれを単独で逆数にすることはできません。分母の共役複素数を掛けて有理化します。

03 絶対値と実部は別のもの

絶対値と実部は別のもの

Z=R+jXの大きさは|Z|=√(⁠R⁠²⁠+⁠X⁠²⁠)です。Rは実部、Xは虚部の係数であり、|Z|とは違います。電流の実効値の大きさは、電圧の実効値Vに対してI=V/|Z|で求めます。

抵抗とリアクタンスの大きさをR+|X|として足すと、ベクトルの関係を無視した計算になります。複数枝を合成するときも、まずZまたはYの実部・虚部をまとめ、その後で絶対値を取ります。

04 複素数計算の点検

複素数計算の点検

  1. 同じ周波数の正弦波定常状態を扱っているか確認する。
  2. 各素子のZを複素数で書き、直並列に応じて合成する。
  3. YからZへ戻す必要があるか、求める量を読む。
  4. 電流の位相と大きさを分けて答え、単位を確認する。

虚部が消える条件は共振回路。線と相の換算が加わる場合は三相交流へ進みます。

出⁠典:名古屋工業大学「⁠電⁠気⁠回⁠路⁠I⁠」第10・11週、フェーザ表示・インピーダンス・アドミタンス。

よくある質問

リアクタンスとインピーダンスは同じですか?

リアクタンスはインピーダンスの虚部に対応する量です。抵抗分も含むZ全体や、その絶対値とは区別します。

並列でもZで計算できますか?

できます。1/Z=1/Z₁+1/Z₂を使います。Y=1/Zと置くと、並列で足す量が明確になります。

出典と確認日

数値・条文は次の一次資料で確認しています。確認日: 2026-11-08

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