電験三種の変圧器
巻数比・換算・鉄損と銅損を整理する
先に答え
理想の巻数比と実際の損失を分ける
変圧器は、理想モデルの巻数比と、実際の損失・電圧降下を分けて考えるのが基本です。
この記事で確認すること
01 巻数比と誘起電圧比を対応させる
巻数比と誘起電圧比を対応させる
一次巻数をN₁、二次巻数をN₂、巻数比をa=N₁/N₂とします。密結合を考えるモデルでは誘起電圧比E₁/E₂=N₁/N₂です。巻数比を逆に定義した教材もあるため、aという文字だけで大小を決めないでください。
巻線抵抗や漏れによる電圧降下まで考える場合は、誘起電圧と端子電圧が同じとは限りません。最初に「理想とする」「どの損失を無視する」といった条件を読み、使うモデルを決めます。
02 換算した側を統一して回路を読む
換算した側を統一して回路を読む
二次側のインピーダンスを一次側へ換算する場合は、巻数比a=N₁/N₂の定義でa²倍にします。一次・二次の値を混ぜて足すのではなく、同じ側へ換算してから等価回路で扱います。
計算用紙には、一次側の量、二次側の量、一次側へ換算した量を区別して書きます。換算前の電流を、換算後の抵抗へそのまま組み合わせないようにしてください。回路図の記号に付く添字やプライムの意味も確認します。
03 鉄損と銅損を分けて効率を考える
鉄損と銅損を分けて効率を考える
| 項目 | 整理する内容 |
|---|---|
| 鉄損 | 鉄心に生じる損失。ヒステリシス損と渦電流損を含む |
| 銅損 | 巻線抵抗による損失。各巻線のI²Rで扱う |
| 効率η | η=出力/(出力+損失)。百分率では100を掛ける |
| 電力の種類 | 効率の出力には有効電力を対応させ、容量VAと混ぜない |
銅損は電流が変わると変化します。鉄損を一定と近似する場合も、電圧・周波数などの条件がそろっているかを確認します。「損失はいつでも一定」とまとめて覚えないでください。
04 解く前と解いた後の点検
解く前と解いた後の点検
- 巻数比の分子・分母と、一次・二次の値を確認する。
- 理想モデルか、損失と電圧降下を含むモデルかを読む。
- 換算が必要なら、どちら側へそろえたかを明記する。
- 効率に使う電力がWか、容量として与えられたVAかを区別する。
- 損失を含む入力が出力より大きいかなど、エネルギーの関係を確認する。
電流や力率の段階で迷う場合は交流回路へ戻ります。効率と電圧変動率は別の指標なので、どちらを問われたかも最後に確認しましょう。
よくある質問
巻数比は一次と二次のどちらを分子にしますか?
本記事ではa=N₁/N₂です。教材や問題の定義を優先し、aだけを見て決めないでください。
変圧器の容量をそのまま効率の出力にできますか?
VAで示された容量とWの有効電力は区別します。負荷と力率などの条件から、効率計算で使う出力をそろえます。
出典と確認日
数値・条文は次の一次資料で確認しています。確認日: 2026-11-07
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