電験三種ドリル

電験三種の変圧器

巻数比・換算・鉄損と銅損を整理する

更新日: 出典・確認日 ↓

先に答え

理想の巻数比と実際の損失を分ける

変圧器は、理想モデルの巻数比と、実際の損失・電圧降下を分けて考えるのが基本です。

この記事で確認すること

01 巻数比と誘起電圧比を対応させる

巻数比と誘起電圧比を対応させる

一次巻数をN₁、二次巻数をN₂、巻数比をa=N₁/N₂とします。密結合を考えるモデルでは誘起電圧比E₁/E₂=N₁/N₂です。巻数比を逆に定義した教材もあるため、aという文字だけで大小を決めないでください。

巻線抵抗や漏れによる電圧降下まで考える場合は、誘起電圧と端子電圧が同じとは限りません。最初に「⁠理⁠想⁠と⁠す⁠る⁠」「どの損失を無視する」といった条件を読み、使うモデルを決めます。

出⁠典:名古屋工業大学「エネルギー変換 第11週」3-4。原資料の誘起電圧比と等価回路の考え方を独自に整理しています。

02 換算した側を統一して回路を読む

換算した側を統一して回路を読む

二次側のインピーダンスを一次側へ換算する場合は、巻数比a=N₁/N₂の定義でa²倍にします。一次・二次の値を混ぜて足すのではなく、同じ側へ換算してから等価回路で扱います。

計算用紙には、一次側の量、二次側の量、一次側へ換算した量を区別して書きます。換算前の電流を、換算後の抵抗へそのまま組み合わせないようにしてください。回路図の記号に付く添字やプライムの意味も確認します。

03 鉄損と銅損を分けて効率を考える

鉄損と銅損を分けて効率を考える

項目整理する内容
鉄損鉄心に生じる損失。ヒステリシス損と渦電流損を含む
銅損巻線抵抗による損失。各巻線のI²Rで扱う
効率ηη=出力/(⁠出⁠力⁠+⁠損⁠失⁠)。百分率では100を掛ける
電力の種類効率の出力には有効電力を対応させ、容量VAと混ぜない

銅損は電流が変わると変化します。鉄損を一定と近似する場合も、電圧・周波数などの条件がそろっているかを確認します。「損失はいつでも一定」とま⁠と⁠め⁠て覚えないでください。

出⁠典:名古屋工業大学「エネルギー変換 第12週」3-8。効率は出力と損失を同じ基準へそろえて計算します。

04 解く前と解いた後の点検

解く前と解いた後の点検

  1. 巻数比の分子・分母と、一次・二次の値を確認する。
  2. 理想モデルか、損失と電圧降下を含むモデルかを読む。
  3. 換算が必要なら、どちら側へそろえたかを明記する。
  4. 効率に使う電力がWか、容量として与えられたVAかを区別する。
  5. 損失を含む入力が出力より大きいかなど、エネルギーの関係を確認する。

電流や力率の段階で迷う場合は交流回路へ戻ります。効率と電圧変動率は別の指標なので、どちらを問われたかも最後に確認しましょう。

よくある質問

巻数比は一次と二次のどちらを分子にしますか?

本記事ではa=N₁/N₂です。教材や問題の定義を優先し、aだけを見て決めないでください。

変圧器の容量をそのまま効率の出力にできますか?

VAで示された容量とWの有効電力は区別します。負荷と力率などの条件から、効率計算で使う出力をそろえます。

出典と確認日

数値・条文は次の一次資料で確認しています。確認日: 2026-11-07

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