電験三種ドリル

電験三種の誘導電動機

すべりと同期速度・回転速度の違い

更新日: 出典・確認日 ↓

先に答え

すべりは同期速度に対する回転子の遅れの割合

誘導電動機のすべりは、同期速度に対して回転子がどれだけ遅れているかの割合です。

この記事で確認すること

01 極数から同期速度を求める

極数から同期速度を求める

電源周波数f[Hz]、極数pに対して同期速度Nₛ=120f/p[min⁻¹]です。ここでpは極対数ではなく極の総数です。極対数を使う教材の式と、文字の定義を合わせます。

同期速度は固定子が作る回転磁界の速度です。回転子の実際の速度Nと同じとは限りません。問題文の「⁠回⁠転⁠速⁠度⁠」がどちらを指すかを確認してください。

02 すべりの基準は同期速度

すべりの基準は同期速度

すべりs=(⁠N⁠ₛ⁠−⁠N⁠)/Nₛ、したがってN=(⁠1⁠−⁠s⁠)Nₛです。通常の電動運転では0<s<1。始動時はN=0なのでs=1、同期速度と一致するとs=0です。

すべりは%で示される場合がありますが、式のsは割合です。回転数の差を実回転速度Nで割る誤りと、百分率をそのまま代入する誤りを分けて点検します。回転子の電流の周波数は通常の電動運転でf₂=sfです。

03 二次入力を損失と内部の出力へ分ける

二次入力を損失と内部の出力へ分ける

二次入力をP₂とすると、二次銅損はsP₂、内部で機械的動力に変換される部分は(⁠1⁠−⁠s⁠)P₂です。後者から機械損などを差し引いたものが軸出力なので、(⁠1⁠−⁠s⁠)P₂を条件なしに軸出力と呼ばないでください。

トルクを求める場合、二次入力を同期角速度で割る経路と、内部の機械的出力を実回転角速度で割る経路が対応します。二次入力と実速度など、異なる組合せを混ぜないようにします。

04 運転領域を確認して答える

運転領域を確認して答える

すべりが負なら同期速度を超える領域です。誘導発電の扱いにつながるため、負になっただけで計算ミスとは限りません。一方、普通の電動運転の条件なのに負になる場合は、引き算の順序と極数を再確認します。

出⁠典:長崎総合科学大学「三相誘導電動機の特性試験」、日本電気技術者協会「誘導電動機の始動方法、速度特性、制動方法」。

よくある質問

すべりは回転数の差ですか?

差を同期速度で割った無次元の割合です。差だけなら速度の単位が残ります。

すべりがゼロなら理想的な電動運転ですか?

通常の誘導機では回転磁界と回転子の相対速度がなくなり、誘導によるトルクを生じません。負荷を駆動する通常運転ではすべりが必要です。

出典と確認日

数値・条文は次の一次資料で確認しています。確認日: 2026-11-08

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