電験三種の直流電動機
逆起電力と始動電流を電圧式から読む
先に答え
端子電圧は逆起電力と電圧降下の和
ブラシ電圧降下などを無視するモデルでは、電機子の端子電圧は逆起電力と電機子抵抗の電圧降下の和です。
この記事で確認すること
01 電機子回路の式を先に書く
電機子回路の式を先に書く
電動機の端子電圧V、逆起電力E、電機子電流Iₐ、電機子抵抗Rₐについて、ブラシ電圧降下などを無視するとV=E+IₐRₐです。発電機として外へ電力を取り出す式と、電流の向き・符号を混ぜないようにします。
逆起電力はE=kₑΦω、電磁トルクはT=kₜΦIₐで表されます。Φは磁束、ωは回転角速度です。回転速度をmin⁻¹で使う場合は比例定数の定義も変わるため、式の記号と単位を合わせます。
02 始動時に電流が大きくなる理由
始動時に電流が大きくなる理由
停止時はω=0なのでE=0です。このモデルではIₐ=V/Rₐとなり、回転時のIₐ=(V−E)/Rₐより大きな電流となります。始動抵抗や制御回路は、この始動電流を抑える役割を持ちます。
逆起電力は外部から別に印加した電源ではなく、回転によって生じる起電力です。速度が上がるとEが増え、端子電圧と磁束が一定なら、電機子へ流れる電流が抑えられる関係になります。
03 磁束を変える場合は電流も含めて読む
磁束を変える場合は電流も含めて読む
磁束一定ならトルクは電機子電流に比例します。磁束が変わるときは、トルク一定だから電流一定とは限りません。弱め界磁では、電圧式だけでなくT=kₜΦIₐも同時に使って負荷との関係を確認します。
分巻電動機では線電流が電機子電流と界磁電流へ分かれます。銅損Iₐ²Rₐへ線電流をそのまま入れないでください。直巻・他励など、結線が違えば電流の対応も変わります。
04 電力の収支で式を確認する
電力の収支で式を確認する
V=E+IₐRₐにIₐを掛けると、VIₐ=EIₐ+Iₐ²Rₐです。電機子への入力が、内部で変換される動力と電機子銅損に分かれることを示します。EIₐから機械損などを引く前に、軸出力と同一視しないようにします。
よくある質問
逆起電力は端子電圧と同じですか?
抵抗降下などを考える場合は同じではありません。本記事のモデルではE=V−IₐRₐです。
トルクを増やすときは必ず回転速度も上がりますか?
トルクと速度は別の量です。磁束、電機子電流、逆起電力、負荷条件を合わせて判断します。
出典と確認日
数値・条文は次の一次資料で確認しています。確認日: 2026-11-08
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