電験三種ドリル

電験三種のブロック線図

負帰還の分母が1+GHになる理由

更新日: 出典・確認日 ↓

先に答え

負帰還の信号を引いて移項すると分母が1+GH

負帰還の伝達関数は、偏差=入力−帰還信号、出力=前向き経路×偏差を連立して求めます。

この記事で確認すること

01 ブロックと加え合わせ点の違い

ブロックと加え合わせ点の違い

伝達関数Gのブロックを入力Xが通ると出力はGXです。加え合わせ点は入ってくる信号の和・差を作り、分岐点は同じ信号を複数の経路へ渡します。伝達関数は通常、初期値をゼロとした入力・出力の関係として扱います。

接続合成の形確認すること
直列G₁G₂同じ信号が順に通る
並列加算G₁+G₂同じ入力からの出力を加える
並列減算G₁−G₂加え合わせ点の負号を残す

02 負帰還を二つの式から導く

負帰還を二つの式から導く

入力R、出力Y、前向き経路G、帰還路Hとし、加え合わせ点で帰還信号を引きます。偏差E=R−HY、出力Y=GEです。代入するとY=G(⁠R⁠−⁠H⁠Y⁠)、整理して(⁠1⁠+⁠G⁠H⁠)Y=GRとなります。

よってY/R=G/(⁠1⁠+⁠G⁠H⁠)です。帰還路が直結ならH=1。正帰還として加える構成なら、同じ手順で分母が1−GHになります。図で引き算なのに分母がプラスになる理由は、移項にあります。

03 偏差を問われたら出力の式で終わらない

偏差を問われたら出力の式で終わらない

同じ負帰還構成でE/R=1/(⁠1⁠+⁠G⁠H⁠)です。出力Yを求めるのか、加え合わせ点の偏差Eを求めるのかで分子が変わります。Hが1でないと、Eは単純な入力Rと出力Yの差ではなくR−HYです。

定常偏差を考える場合は、入力の種類と系の性質を確認します。過渡応答の途中の値や、伝達関数の値をそのまま「⁠定⁠常⁠」と読まないようにしてください。

04 負帰還なら必ず安定、とは言えない

負帰還なら必ず安定、とは言えない

帰還は誤差を抑えるために用いられますが、周波数による位相の変化などで安定性が問題になることがあります。マイナスの加え合わせ点だけで必ず安定と断定しません。

  1. 入出力と帰還信号に文字を付ける。
  2. 加え合わせ点の符号を式にする。
  3. ブロックの入出力式を連立する。
  4. 図へ戻し、どの二点間の伝達関数かを確かめる。
出⁠典:東京大学物性研究所・勝本研究室「⁠電⁠気⁠回⁠路⁠」第4章、帰還と伝達関数。合成式は信号の関係式から導いています。

よくある質問

負帰還なのに分母はなぜプラスですか?

Y=G(⁠R⁠−⁠H⁠Y⁠)を整理するとGHYを左辺へ移すため、1+GHになります。

Hがある場合も偏差はR−Yですか?

加え合わせ点へ戻る信号がHYなら偏差はR−HYです。直結帰還のH=1と区別します。

出典と確認日

数値・条文は次の一次資料で確認しています。確認日: 2026-11-08

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